はじめに|「わかっていても、傷つく言葉」はある
利用者様やご家族様からの
きつい言葉、責めるような口調、理不尽な要求。
「仕事だから仕方ない」
「相手も大変なんだから」
そう思おうとしても、
心が追いつかない日もありますよね。
この記事では、
• なぜ人は攻撃的な言葉を使ってしまうのか
• なぜ看護師は受け取りすぎてしまうのか
• 自分を守るための「境界線(バウンダリー)」
• ケースシェアがなぜ支えになるのか
を、現場感覚を大切にしながらお伝えします。
なぜ人は攻撃的な言葉を使うのか|その裏にある感情
攻撃的な言葉の多くは、
「怒り」そのものではなく、別の感情の表現です。
よくある背景
• 不安や恐怖
• 先が見えないことへの焦り
• 誰にも分かってもらえない孤独
• 自分ではどうにもできない無力感
特に医療・介護の場では、
• 病気
• 老い
• 死
• 生活の崩れ
と向き合う中で、
感情のコントロールが難しくなります。
👉 攻撃は「助けて」の裏返し
そう理解できると、少しだけ距離を取って見られるようになります。
看護師側が受け取りすぎてしまう理由
看護師が言葉を深く受け止めてしまうのには、理由があります。
①共感力が高い
相手の立場に立つ力があるからこそ、
言葉のトゲがそのまま心に刺さりやすい。
② 「ちゃんとしなきゃ」という責任感
• 私の説明が悪かったのかも
• 私の関わり方が間違っていた?
と、自分を責めやすい。
③ 境界線を教わる機会が少ない
看護教育では
• 技術
• 知識
• 倫理
は学びますが、
「感情の境界線」 はほとんど教わりません。
その結果、
「相手の感情=自分の責任」になりやすいのです。
境界線(バウンダリー)とは何か
バウンダリーとは
「ここから先は相手の問題、ここまでは自分の役割」
という心の境目です。
境界線が曖昧だと起きること
• 相手の感情を全部背負ってしまう
• 断れない
• 常に罪悪感を感じる
• 燃え尽きやすい
境界線を引くとは「冷たくなる」ことではありません。
大切なのは、
• 相手を尊重しつつ
• 自分も守る
という姿勢です。
例:
「不安なお気持ちは理解できます」
「でも、暴言は受け止められません」
これは逃げでも無責任でもありません。
専門職としての健全な関わり方です。
以前職場の先輩に「受け入れなくていい、受け止めよう。自分の中に入れてしまうと辛くなるよ」と教えてもらいました。
ケースシェアがなぜ支えになるのか
攻撃的な言葉を受けたとき、
一番つらいのは
「自分だけがうまくできていない気がする」
という孤立感です。
ケースシェアがもたらすもの
• 「それ、私も言われたことある」
• 「あの家族、みんな同じ反応してるよ」
• 「あなたの対応、間違ってないと思う」
この言葉があるだけで、
心の重さは大きく変わります。
ケースシェアは「答え探し」ではない
• 解決策を出すこと
• 正解を決めること
よりも、
感情を言葉にして外に出すこと
そのものが支えになります。
訪問看護でつまずきやすいコミュニケーション5選|一人で抱え込まないためのケースシェアという選択ケースシェアについての具体的な方法はこちら
おわりに|あなたが壊れてまで守らなくていい
看護師は、
• 優しくて
• 責任感が強くて
• 我慢ができてしまう人
が多い職業です。
でも、
あなたが壊れてしまっては、看護は続きません。
攻撃的な言葉を
「全部受け止めること」がプロなのではなく、
• 距離を取る力
• 支えを求める力
• 境界線を引く勇気
もまた、プロの力です。
どうか、
「しんどい」と感じる自分を責めずにいてくださいね。


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