この記事は、私自身が訪問看護師として、また1人の親として児童虐待防止に関わる中で感じた疑問から書いています。
こちらの記事もぜひご覧ください→私が児童虐待防止を伝え続ける理由
はじめに
「通告=すぐに連れて行かれる」は誤解です
「児童相談所に通告されたら、すぐ子どもを連れて行かれるのでは?」
「一度目をつけられたら終わりなのでは?」
虐待の話題になると、こんな不安や誤解を抱く方は少なくありません。
けれど実際の児童相談所(以下、児相)の役割は、親を罰することではなく、子どもと家族を守ることです。
この記事では、
児童相談所は何を基準に動くのか
通告から保護まで、どんな段階があるのか
どんな場合に「一時保護」になるのか
を、初めての方にもわかるように整理してお伝えします。
児童相談所の役割とは?
児童相談所は、18歳未満の子どもに関するあらゆる相談を受ける専門機関です。
対応している内容は、虐待だけではありません。
子育てに限界を感じている
子どもへの関わり方が分からない
非行・不登校・発達の心配
親自身の心身の不調
「困っている家庭を支える場所」であることが、まず大前提です。
【図解】児童相談所が虐待に対応する基本の流れ

ここからは、実際の対応を流れで整理します。
① 通告・相談が入る
虐待対応のスタートは「通告」または「相談」です。
通告者は、
近隣住民
学校・保育園
医療機関
家族・親族
本人(子ども・親)
などさまざまです。
通告は「疑い」でOKと法律で定められており、証拠は必要ありません。
📌 ポイント
通告=虐待確定ではありません。
② 児童相談所で安全確認・緊急度の判断
通告を受けると、児相はまず
子どもの命や身体に差し迫った危険があるか
今すぐ対応が必要か
を判断します。
この段階で「緊急性が高い」と判断されると、
即日対応・警察連携になることもあります。
③ 調査・面接(家庭訪問・聞き取り)
次に行われるのが、状況確認です。
子ども本人との面接
保護者からの聞き取り
家庭訪問
学校や園からの情報収集
ここで大切にされるのは、
「なぜそうなったのか」「背景は何か」という視点です。
📌 いきなり責められることは基本的にありません。
④ 支援で見守れるか?一時保護が必要か?を判断
調査をもとに、次のどちらが適切かを検討します。
家庭で支援しながら見守れる
家庭では安全が確保できない
ここで初めて、一時保護の必要性が検討されます。
⑤ 一時保護(必要な場合のみ)
一時保護は、
命や身体の安全が脅かされている
保護者が極度に疲弊している
家庭環境が一時的に不安定
などの場合に行われます。
期間は原則2か月以内。
目的は「引き離すこと」ではなく「守ること」です。
⑥ 今後の支援方針を一緒に考える
一時保護の有無に関わらず、
家庭復帰
親への支援(育児指導・福祉サービス)
学校や医療との連携
など、その家庭に合った支援方針を検討します。
児童相談所が一番大切にしていること
児相が見ているのは、
「良い親か・悪い親か」ではありません。
子どもの安全が守られているか
親が孤立していないか
支援が入れば改善できるか
という未来に向けた視点です。
「もしかして…」と思った親御さんへ
もしあなたが、
怒りすぎてしまう
叩いてしまったことがある
子どもが可愛いと思えない瞬間がある
毎日が限界
そう感じているなら、
あなたはすでに「気づいている親」です。
児童相談所や支援機関は、
「助けて」と言えた人を罰する場所ではありません。
まとめ|知ることは、守ることにつながる
児童相談所の虐待対応は、
通告
判断
調査
支援
という段階を踏みながら、
子どもと家族の安全を守るために動いています。
正しく知ることで、
不必要な恐怖を減らし
助けを求めやすくなり
子どもを守る選択ができます
この記事が、
誰かの「一歩相談してみよう」に繋がれば幸いです。
(支援者が抱え込みやすい感情について)


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